簿記3級の前半が終わったので整理がてら記事を書いてみる

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簿記3級_前半
xainome

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簿記3級_前半のまとめ

前回簿記3級について書きました。あれから勉強を進めてみたので復習も兼ねて書いてみようと思います。ただ、簿記3級資格を取るかは決めてないです。せっかくなら2級でもいいかと思ってるので。

簿記3級_簿記の目的

まず簿記(帳簿記入)の目的は財務諸表の作成になります。財務諸表は会社の成績表でざっくり言えばお金のやりくりが記載されています。

次に財務諸表は2つあり、貸借対照表(Balance Sheet、以降B/S)損益計算書(Profit and Loss Statement、以降P/L)があります。

B/Sは現金、資本金、借入金などの資産や負債、資本が記載されています。つまり財政状態を示しています。P/Lは仕入、売上、純利益などの費用や収益が記載されています。つまり経営成績を示しています。

P/Lは名前のままですが、B/Sはイメージしずらいですね。ただ、借方や貸方を理解できればそれが対照になってる表という名前で理解ができると思います。

この2つの表では勘定科目と金額が記載されています。勘定科目は現金、土地、売上等の名称を指します。

簿記3級_仕訳について

まず財務諸表を作る流れとしては帳簿に仕分けと勘定をしていきます。そして期末になったら試算表を作って財務諸表を作るという流れになります。

仕分けですがこれが一番大変だと思います。例としてはこんな感じですね。

  1. 1/1 株主から資本金2,000,000を現金で受け取った
  2. 2/3 銀行から借り入れた3,000,000が当座預金へ振り込まれた
  3. 4/5 商品を1,000,000で仕入れ、小切手で振り込んだ
  4. 6/8 商品を2,500,000で掛け販売した
  5. 9/7 代金支払いの延長を了承し、約束手形2,500,000を受け取った
  6. 12/1 約束手形が満期となり手形代金が当座預金に振り込まれた
日付借方項目金額貸方項目金額
1/1現金2,000,000資本金2,000,000
2/3当座預金3,000,000借入金3,000,000
4/5仕入1,000,000当座預金1,000,000
6/8売掛金2,500,000売上2,500,000
9/7受取手形2,500,000売掛金2,500,000
12/1当座預金2,500,000受取手形2,500,000

仕分けの何が大変かというと借方、貸方がごちゃごちゃになる。それから勘定科目を覚えるというのが大変です。

仕訳の書き方

一応借方、貸方の基本は

  • 資産と費用が増えるまたは負債、資本、収益が減れば借方(左側)に書く。
  • 資産と費用が減るまたは負債、資本、収益が増えれば貸方(右側)に書くですかね。

例えば1列目の現金は資産で資本金は資本に分類されます。この場合どちらも増えているので基本に従って書けば問題ありません。ちなみに資本金は株主からもらったお金になります。こちらは返済不要です。

次に2列目の借入金は銀行から借りたお金なので負債で返済が必要になります。当座預金は会社がお金の決済をする口座です。こちらも基本に従って問題ないです。

3列目ですね。仕入れは費用に分類されます。費用が増えたので借方に書きます。その時当座預金から決済をしました。資産がマイナスになったので貸方に当座預金を書いています。

という流れで書いていきます。借方と貸方の金額がぴったり一致してるのは揃っててきれいですが、いかんせん勘定科目を覚えるのが大変なんですよね。勘定科目を覚えるのもそうですし、属性もですね。資産なのか収益なのか、増えたのか減ったのかで割と脳のリソースを食いますね。

ただ、覚えることができれば機械的に書けばいいので後はスムーズになります。

簿記3級_勘定について

こんな感じで仕分けが終わったら次は勘定ですね。次に総勘定元帳を書いていきますが、これは仕分けさえできていれば当てはめるだけでいいものになります。まだ計算は不要です。真ん中を中心線として日付、相手方の勘定科目、金額を記入します。これを勘定科目の分記載します。例だと現金や資本金、借入金、受取手形なども書いていきます。

当座預金

2/3借入金3,000,0004/5仕入1,000,000
12/1受取手形2,500,000

試算表について

勘定が終わったら今度は試算表の作成ですね。具体的には合計試算表残高試算表合計残高試算表の3つがありますが、今回は合計残高試算表のみを記載します。これさえできれば残りの2つもできます。ちなみに借方残高 = 貸方残高、借方合計 = 貸方合計になるはずです。

借方残高借方合計勘定科目貸方合計貸方残高
2,000,0002,000,000現金
4,500,0005,500,000当座預金1,000,000
2,500,000売掛金2,500,000
2,500,000受取手形2,500,000
借入金3,000,0003,000,000
資本金2,000,0002,000,000
1,000,0001,000,000仕入
売上2,500,0002,500,000
7,500,00013,500,00013,500,0007,500,000

B/SとP/Lについて

最後にB/SとP/Lになります。これができれば基礎はできて残りは肉付けですね。勘定科目やらの細かいことを覚えることになります。

B/Sはこうなります。ちなみに繰越利益剰余金(別名:繰利)の算出方法は以下になります。

当期繰越利益剰余金 = 前期繰越利益剰余金 + 当期純利益

ただ、今回は前期繰越利益剰余金がないので当期繰越利益剰余金 = 当期純利益になります。繰越利益剰余金を資本に含めることで資産 = 負債・資本となりB/Sの完成になります。

資産金額負債・資本金額
現金2,000,000借入金3,000,000
当座預金4,500,000資本金2,000,000
繰越利益剰余金1,500,000
6,500,0006,500,000

そしてP/Lは費用と収益を出し、差分を当期純利益として出します。本来であれば給料なども費用としてカウントされます。費用 + 当期純利益 = 収益となればP/Lの完成となります。

費用金額収益金額
仕入1,000,000売上2,500,000
当期純利益1,500,000
2,500,0002,500,000

これにて財務諸表が完成します。流れ自体は複雑ではないですが、やっぱり仕分けが一番大変ですね。覚えることも多そうですし…

とはいえ試験については完璧じゃなくても部分点などがありますので、完璧を求めずとりあえず仕分けして財務諸表を作ることを目指せばよいみたいです。

簿記3級_勘定項目について

これ以降は簿記3級前半で出た勘定科目を上げていきます。まだ前半部分なので不足している箇所もあるかもしれませんが、私が学んだ範囲で書いてみます

資産

  • 現金:硬貨や紙幣などの通貨
  • 当座預金:当座預金口座にあるお金
  • 車両:営業や運送で使用する車両
  • 売掛金:商品販売時、代金を受け取ってない場合の回収する権利
  • 建物:店舗や倉庫など
  • 土地:敷地(事務所として借りてる場合はなし)
  • 貸付金:貸した時の回収する権利
  • 前払金:手付金を払ったことによる商品をもらう権利
  • 受取商品券:商品券と引き換えに現金を受け取る権利
  • クレジット売掛金:クレジット売掛金:クレジット決済時にクレジット会社から代金を受け取る権利
  • 受取手形:手形代金を受け取る権利
  • 電子記録債権:電子記録債務を改修する権利
  • 小口現金:細かい費用をまとめて採算する現金
  • 差入保証金:敷金を支払ったことで返金を受け取る権利
  • 備品:建物・土地・車両以外の固定資産(パソコンやデスク等)
  • 未収金:商品以外の物品を後払いで売却した時に生じる代金を回収する権利
  • 従業員貸付:従業員に対して貸し付けた代金を回収する権利
  • 手形貸付金:貸付を行った時、手形を受け取った場合の代金を回収する権利
  • 従業員立替金:一時的に金銭を立て替えて払い、その後回収する権利
  • 仮払金:支払いを行ったが、内容や金額が未確定の場合の支出額

負債

  • 借入金:返済義務のある借りた代金(銀行が多い)
  • 買掛金:商品購入時、代金を支払ってない場合の支払い義務
  • 前受金:手付金を受け取ったことによる商品を渡す義務
  • 支払手形:手形代金を支払う義務
  • 電子記録債務:電子記録債権を返済する義務
  • 未払金:商品以外の物品を後払いで購入した時に生じる代金を支払う義務
  • 役員借入金:役員から借り入れた代金を返済する義務
  • 手形借入金:貸付を行った時、手形を支払った場合の代金を返済する義務
  • 預かり金:一時的に金銭を預かり、返済する義務
  • 所得税預り金:源泉徴収した所得税を納付する義務
  • 社会保険料預り金:源泉徴収した社会保険料を納付する義務
  • 仮受金:預金口座へ入金があったが、内容が不明な入金額

資産

  • 資本金:株主から受けた出資
  • 繰越利益剰余金:利益

収益

  • 売上:商品を販売時に得た代金
  • 受取手数料:取引などを仲介した時の手間賃
  • 受取利息:貸し付けたお金に対する受け取った利息
  • 償却債権取立益:貸倒れが起きたが、代金が支払われた場合の収益
  • 受取家賃:家賃を受け取った収益
  • 受取地代:地代を受け取った収益
  • 固定資産売却益:固定資産を取得原価よりも高い金額で売却した時の収益

費用

  • 仕入:商品を購入した時の代金
  • 給料:従業員に払った費用
  • 水道光熱費:水道やガス、電気使用で支払った費用
  • 支払利息:借り入れたお金に対する支払った利息
  • 旅費交通費:出張や出勤などで使用した交通費
  • 発送費:商品を販売する際、発送にかかった費用
  • 貸倒損失:貸し倒れによって生じた費用
  • 支払家賃:家賃を支払った費用
  • 支払地代:地代を支払った費用
  • 固定資産売却損:固定資産を取得原価よりも低い金額で売却した時の費用
  • 修繕費:収益的支出によって生じた費用
  • 法定福利費:企業が負担した社会保険料に関する費用
  • 租税公課:様々な税金を支払った費用

仮勘定

  • 現金過不足:帳簿の現金残高と実際の残高の差で発生する勘定科目、帳簿残高が高ければ借方、実際有高が高ければ貸方に勘定する

簿記3級_勘定に関わる名称

仕分け時に出る名称の意味や分類等

小切手

  • 現金:小切手を受け取った場合は現金、即座に振り込みの場合は対象の口座
  • 当座口座:「小切手を振り出し」と書かれた場合は貸方に当座口座を記入、当社振り出しになる場合もある。これは当社がA社に小切手を渡し、A社がB社に渡し、B社が当社に渡すなどの場合に生じる。当座借越契約を結んでいる場合は預金の残高を超えた小切手でも振り出すことはできる。

手付金

  • 前受金:手付金が振り込まれたら貸方に前受金を記入
  • 前払金:内金として払った場合、借方に前払金を記入

返品

  • 返品をした、された場合は仕入や売上時の仕分けと逆の仕分けを記載し、金額は返品時の金額を記載する
  • 例:1000円で商品を販売した後、200円分返品があった
借方科目金額貸方科目金額
売掛金1,000売上1,000
売上200売掛金200

諸経費 – 当社負担

  • 発送費:販売した時にかかった発送費が当社負担の場合、売上と発送費の2つに仕訳する
  • 引取費用:仕入でかかった費用については商品の金額に費用も加える

諸経費 – 先方負担

  • 発送費:発送費を含めた売上金額を記入した後、かかった発送費を記入する
  • 引取費用:立替払いをしても当社負担同様に仕入に費用を含めるが、仕入れ値 – 引取費用が商品の値段となる

例:A社が発送費と引取費用を負担したとして、下の分をA社とB社視点に分けて仕分けします。

1.B社は得意先A社へ商品を5,000円で掛け販売し、同時に支払った発送費用300円を加えた5,300円をA社に請求した。 A社は現金で引取費用を払った。
2.B社は仕入先A社から商品4,000円を掛けで仕入れ、引取費用100円を現金で立替払いした。A社は現金で発送費を払った。
視点借方金額貸方金額
A社仕入5,300買掛金5,000
A社現金300
A社売掛金4,000売上4,000
A社発送費100現金100
B社売掛金5,300売上5,300
B社発送費300現金300
B社仕入4,000買掛金3,900
B社現金100

商品券

  • 受取商品券:商品券で購入された場合は借方に受取商品券を記入する。後日商品券を現金に換金または口座振込がおこなわれる。その時は貸方に受取商品券を記入し、借方に現金や口座を記入する。

クレジット

  • クレジット売掛金:クレジット決済時にクレジット会社から代金を受け取る権利、クレジット売掛金と支払手数料の合計が売上となる
  • 支払手数料:クレジット会社に支払う手数料、数%が相場

約束手形

  • 支払手形:手形代金を支払う義務、掛け金の延長時に使用する場合もある
  • 受取手形:手形代金を受け取る権利、掛け金の延長時に使用する場合もある

電子記録

  • 電子記録債務:電子マネーなどの電子記録による代金を支払う義務
  • 電子記録債権:電子マネーなどの電子記録による代金を受け取る権利

貸し倒れ

  • 貸倒損失:掛け金が倒産などの理由で払われず生じた費用
  • 償却債権取立益:前期以前に貸倒れした代金を当期処理した場合の収益、償却は借金などを完済すること、債権はお金の返済を求める権利のこと

通貨代用証券

現金とは別に金融機関ですぐに換金できる証券、小切手や郵便為替証書がある。ただし、仕分けを行う際は現金として換算する

  • 例:通貨10,000、小切手20,000、郵便為替証書30,000 → 現金60,000として扱う

現金過不足

  • 現金過不足:帳簿の現金残高と実際の残高の差で発生する勘定科目

複数口座

  • 銀行が複数ある場合は勘定科目が増える。例えばA社、B社がある場合「A社-当座預金」、「B社-当座預金」となる

定期預金

満期まで引き出しが制限されるが、預金を預けることで利息を得ることができる口座。利息を受け取ったら受取利息として計上する。

小口現金

  • 小口現金:消耗品費や発送費、旅費交通費等の細かい費用を使用するたび仕訳するのは大変なので、小口現金で支払いを行い、1週間間隔でまとめて仕訳する。使用した場合は使った分の補充がおこなわれる。

家賃・地代

  • 支払家賃・支払地代:家賃の支払い・地代の支払い
  • 受取家賃・受取地代:家賃の受け取り・地代の受け取り

敷金・仲介手数料

  • 差入保証金:敷金を支払ったことで退去時に敷金の返金を受け取る権利
  • 仲介手数料は返金がないため「支払手数料」として計上する

固定資産の取得

  • 備品:建物・土地・車両以外の固定資産(パソコンやデスク等)
  • 備品購入時に発生した発送費なども「備品」として計上する

固定資産の売却、未収金・未払金

  • 固定資産売却益:固定資産を取得原価よりも高い金額で売却した時の収益
  • 固定資産売却損:固定資産を取得原価よりも低い金額で売却した時の費用
  • 未収金:商品以外の物品を後払いで売却した時に生じる代金を回収する権利
  • 未払金:商品以外の物品を後払いで購入した時に生じる代金を支払う義務

修理

  • 修繕費:建物の壊れた個所を直すために支払われる費用。収益的支出と呼ばれる。
  • 修理には「修繕」と「改良」の2種類あり、修繕は直すこと、改良は建物の価値を上げること。改良は資本的支出とも呼ばれる。仕訳時に資本的支出と記載された場合は「建物」として計上する。

貸付・借入の利息

  • 受取利息:貸付金で利息が発生する場合は現金または当座預金から利息を引いた代金を支払う。
  • 支払利息:借入金に年率がある場合は利息を支払う必要がある。支払うときはまとめて貸方に計算する。計算式は支払利息 = 借入金 × 年率 × 借入期間(ヵ月) / 12か月

役員に対する貸付金

  • 従業員貸付:前払いの給料などを従業員に対して貸し付けた代金を回収する権利
  • 役員借入金:役員から借り入れた代金を返済する義務、社長自ら借入金として使用することがある。

手形での貸付・借入

  • 手形貸付金:貸付を行った時、手形を受け取った場合の代金を回収する権利
  • 手形借入金:貸付を行った時、手形を支払った場合の代金を返済する義務

給料の預かり金と立替

  • 従業員立替金:一時的に金銭を立て替えて払い、その後回収する権利。生命保険料などを一度立て替えた後、給料から差し引く。
  • 預かり金:一時的に金銭を預かり、返済する義務。他社から一時的に預かった場合生じる

源泉徴収

  • 所得税預り金:源泉徴収した所得税を納付する義務。所得税は給料から事前に差し引かれ企業が預かった後、税務署に納付する。
  • 社会保険料預り金:源泉徴収した社会保険料を納付する義務。所得税同様給料から事前に差し引かれ企業が預かった後、税務署に納付する。
  • 法定福利費:企業が負担した社会保険料に関する費用。社会保険料は企業と従業員で折半する。企業側は費用として計上する。

固定資産税や印紙税

  • 租税公課:様々な税金を支払った費用。具体的な税金は印紙税、固定資産税、事業税、自動車税、登録免許税など様々。

未確定の支出・内容不明の入金

  • 仮払金:支払いを行ったが、内容や金額が未確定の場合の支出額。一般的に概算で旅費交通費を払い、後日採算する場合に使用する勘定科目。
  • 仮受金:預金口座へ入金があったが、内容が不明な入金額。取引前だったり請求額よりも多かった場合に処理されることがある。

訂正仕訳

誤って仕訳を行った際に逆仕訳を行った後、正しい仕訳をし、金額を合算する。勘定項目が増えることはないが、金額の計算に気を付ける。

売掛金20,000を小切手で回収した時、誤って当座預金として借方に記帳していた。

借方金額貸方金額説明
当座預金20,000売掛金20,000誤った仕訳
売掛金20,000当座預金20,000逆仕訳(誤った仕訳を打ち消す)
現金20,000売掛金20,000正しい仕訳
現金20,000当座預金20,000逆仕訳と正しい仕訳の計算結果(売掛金は相殺される)

終わり

かなり長くなりましたが、私が学んだ簿記3級の前半はこれで以上になります。引き続き簿記3級の後半も勉強して頑張っていこうと思います。

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